ワルラス
ちょっと堅いお話になりますが、なぜ日本政府(財務省)が緊縮財政・均衡財政にこだわるのか、知っておかないとなかなかわかりにくいと思いますので、できるかどうかわかりませんがやってみようと思います。

みなさんはお金がどうやって生まれたか、考えたことはありますか?
普段生活してる上で、なかなかそんなことを考える機会はないと思います。

なんとなく常識で、お金は物々交換から生まれた、という考え方がありますね。

最初は肉や魚や、毛皮など、モノそのものをその場で取り換えていた。
それでは持ち運びに不便だし、それ自体に価値があって劣化することの少ない金や銀などか使われるようになった。
つまり貨幣は物々交換の不便さを解消させるために生まれた。
コインそのものに貴金属としての価値がある。
お金はパソコンやテーブルと同じように商品として生産される。
この考え方を商品貨幣論と呼びます。

突き詰めていくと
生産物は常に生産物と交換される」→「供給はそれ自らの需要を生み出す」(セイの法則)
という風に解釈されるようになりました。
さらに今の主流派経済学の重要な考え方である一般均衡理論(均衡…二つまたはそれ以上の物事の間で、力や重さなどの釣り合いがとれていること。バランス。デジタル大辞泉の大前提として、「消費者と生産者の取引の量やタイミングはすべて正確に知られているという仮定を導入し、取引における一切の不確実性がないもの」としました。 『純粋経済学要論』1874.1877 レオン・ワルラス
普通に考えてこれ無茶苦茶でしょう?

少々乱暴に言ってしまうと、
あなたの作ったイス(供給)は必ず売れる(需要)し、働こう(供給)と思えば必ず働き口(需要)はあるってことです。
言い方を変えれば、貸したお金は必ず!帰ってくるってことですね。
カンのいい方はお気づきかもしれませんが、そんな世界でお金はいりません( ´∀` )

これだけ聞くと「ありえんわ…」ってなるんですが、自分の無い頭ではこう理解するしかなかったです。
これが現在の主流派経済学(とよばれている)の根本的な考えのようです。

でも、ちょっと待ってください。
あなたのもってるお札。
それって紙切れに数字が印刷されてるだけですよね?
原価いくらになると思いますか?(ちなみにお札はみんな17円らしいです)
昔は国が一定比率で金(ゴールド)との交換を保証していた金本位制という制度がありました。
でも今そんなことをしているところはないですよね。
現代日本に住むみなさんが持っているお札は、定量の金との交換保証がない、不換通貨と呼ばれるものです。

それに貯金。
みなさんは将来が不安な時ほど貯蓄に回そうかと考えるのではないでしょうか。
でも一般均衡理論の視点に立てば、貯金なんてする必要はほとんどないのです。
前述のように「供給は常に生産物と交換されるし売買において不確実性はない」のですから。
でもそんなことできません。
実際は将来なにがあるかわかったもんじゃないですからね。

なんかもう現実と理屈が離れちゃってる気がしませんか?。

それではお金ってなんなんでしょう?
(②に続きます)